最高級レザーの一つ、コードバンの工場の様子
2017年の三月頃の話ですが、姫路にある新喜皮革社の革の工場を見学してみました。
馬の革のコードバンを鞣している工場です。
どのように革が作られているかを見学してきました。
Youtube動画にもあげてみましたが、補足的にかければと思い、ブログにも投稿してみました。
皮をなめすための前行程
最初は、まず塩漬けにされた革を三ヶ月ほど冷蔵庫で寝かせます。
その間に、毛をとかして鞣す(なめす)ための準備をします。
ちなみに、鞣すとは革を腐らないように加工することを意味します。
革を柔らかくし、皮から革になることを意味します。
前行程としては、他に肉片や塩などを除去する作業があるようです。
革の鞣し行程
この鞣し工程では、皮をこのピット槽と呼ばれる入れ物につけ置きします。
コードバンの場合は、約一ヶ月つけ置きするそうですが、
皮の繊維の結合をさせて、腐らなくなります。
ちなみに、ピット槽は普通は地中に埋める方法が一般的だそうですが、
排水などの清掃効率や放熱管理をする上では、地上に出している方が管理をしやすいとのことです。
つけおきしてから、一ヶ月かかるのもとても手間暇がかかってすごいですよね。
革の乾燥・削り出し行程
鞣し工程の次の二階のフロアは、乾燥させている革や、作業場がいくつかある広いスペースでした。
牛と違い、コードバンは一般的に使われている革の表面であるギン面、真ん中のコードバン層、その下にある網状層の三層から成り立っています。
そして、コードバンは馬のお尻部分にのみしか存在しないので、とても希少性が高いとされています。
他にも、シマウマにもコードバン層は存在しますが、ワシントン条約によって、採取するのは禁止されているそうです。
知らなかったです笑
革の染色・加脂行程
こちらのフロアでは、大きなドラムに入れて脂や染色を行います。
現場の責任者の方に簡単な説明をしてもらったことをまとめると
- 温度管理や時間の管理が大変
- オーダーメイドされた色や質感を表現する難しさ
- コードバンはクロム鞣しはしない
とのことです。
確かに、季節によって湿度や温度は変化するので、一定の品質は大変そうですし、
色や質感も革によって、同じように配合してもばらつきが出そうですもんね。
革の色に関しては、ミシン糸のような色の見本台帳のようなものも持っていたので、
台帳を元に、お客さんが指定するそうです。
革の磨き行程
最後に、ガラスで革を磨く行程を見学しました。
ガラスで磨く作業を実演してもらいましたが、約五分ほど機械で磨くことで同じものとは思えない仕上がりになりました。
詳しくは、動画ではその部分は動画にしているのでそちらの方がわかりやすいかと思います。
ちなみに、この磨きの後にプレス等の最終的な仕上げ加工をして完成です。
また、磨きは必ずしも全ての革にするわけでは、ないようです。
新喜皮革の工場見学の感想
見学会はとても雰囲気が良く、最後の方では初対面の参加者さんどうしで話しをしている場面もありました。
見学者は、約20名くらいの集まりでした。
毎年、三月頃にしているそうなので、もし興味ある方はぜひ参加したらとておもしろいと思います。
工場見学の参加費は、無料です。
少し後悔しているのは、参加するときに話しを聞こうとするあまり、撮影のカメラ設定が中途半端だったので、
一部見にくい写真や動画になってしまったことです。
また、革を作る工程の知識を最低限知ってから行った方が、集中して話しを聞くことができるので、
余裕があれば簡単に調べてから行った方が、より理解が深まると思いました。
参考になれば幸いです。
ではでは
コメントを残す